【感想】アンデッドアンラック 159話【アンデラ】
No.159「Entruster」
●魂に宿る
風子とフィルがエイリアンたちを引き付けている間にフィル母を船内に移動させるニコたち。
「女王(クイーン)は・・・!?女王はどこです・・・!?」
フィル母が怯えた表情で尋ねる。彼女曰く、エイリアンたちを産んだ女王がいたとのこと。
「女王はあれを食らって大きくなった個体・・・強さがまるで違う・・・!」
見つかったら終わり、とフィル母が言う程の強さ。
「聞こえたか風子・・・」
「はい・・・!でも女王なら習性も同じハズ」
それでもエイリアンたちはフィルの感情が狙いであり、女王も同じと考えた風子はこのままエイリアンたちを引き寄せ続けるという。
「感情・・・?まさか・・・」
「あるんだよ!このエイリアン達は感情に反応してる!フィルくんは間違いなく感情がある人間だよ!」
自分に感情があることが信じられない様子のフィル。
そんな彼の前ループの能力であり、自分の感情や感覚を否定する「不感」を説明する風子。
「その辛さは私にはわからない。でもね、ひとつだけ確かな事がある」
フィルと向き合う風子。
「否定能力は人間の魂に宿る」
●不感(アンフィール)
風子の言葉はすなわち、否定者だった前ループのフィルも今のフィルも魂を持っていることを意味する。
「フィルくんはあの神が否定したくなる程のとっっても素敵な感情と魂をもった人間だよ」
「・・・そっか、よかった。お母さんきっと喜・・・」
フィルの言葉が止まる。状況がおかしいことに気付く風子。
(まさか!)
「風子!下だ!」
ニコからの通信。女王と呼ばれるエイリアンの親が風子の下まで迫っていた。
「本当だ、少しずつ気持ちが静かになっていく」
「フィ・・・」
フィルが風子の手を離れていく。
「これが不感(アンフィール)」
(お母さん 安心して)母を思い出すフィル。
「ボクにも感情が、魂があったよ」
「フィルくん」
そう言い残し、フィルは女王に飲まれてしまった。
●キミの中にいたんだね
フィルの回想。
機械の身体に移植されて間もなく、母がフィルを抱きしめる。
「目を覚ました!成功よ!自分の名前・・・思い出せる?」
「フィル・・・3才・・・」
移植された直後は上手く動かせなかった指もあやとりの練習をしていたら動かせるようになった。
そんなフィルを母は泣きながら褒めた。
女王の腹の中で目を覚ましたフィル。そこにはクルーたちの遺体が転がっている。
ある飛行士の背中に”Take the doll(人形を奪え)”と書かれているのを見つけたフィル。
上を見ると白い人形が取り込まれていた。
その人形は母親たちが研究していた危険な人形。
(この力を吸収して奴らは・・・大きくなったのか・・・)
フィルが人形に触れると前ループの自分の記憶が頭の中に流れ込んできた。
(ボクの知らない・・・ボクの記憶・・・ユニオン・・・否定者・・・神殺し・・・)
風子の話は本当だった。
(本当だったんだ、前のボクはキミの中にいたんだね)
●託す者
女王が取り込んだ人形の正体はアーティファクト”託す者(エントラスター)”
使用してきた者たちの感情を力に変えるアーティファクト。
使うには自身の身体を捧げなければならず、一度使えば感情を吸い取られ廃人になる。
不感であるフィルを除いては――。
(今のボクもキミと同じ不感なのかな)
人形を見つめるフィル。人形の周りにはいくつかの武器が刺さっている。
自身に現れた感情の波が引いていくのが分かる。
色んなことへの関心が消えていく中でも救けたいと思う人たちがいる。
(なんでかはもうわからない、でもこの行動が 闘うって事が、お母さんに見せたかった感情だと思うんだ)
「クソッ・・・クソ・・・!」
女王に向かって発砲を続ける風子。
クリードによる援護射撃も続くものの、不運の種が足りないのか女王に致命傷を与えられずにいる。
「クソッ・・・!お前なんかに・・・お前なんかにフィルくんは渡さない!」
風子が叫んだ瞬間、女王の動きが止まる。
ドクン・・・と大きな鼓動が聞こえる。
「何だ・・・」
女王の腹が裂け、中から複数の武器を纏ったフィルが現れる。
「フィルくん!」
(あげるよ、ボクの感情で奴を倒せるなら)