【感想】アンデッドアンラック 160話【アンデラ】
No.160「Welcome to earth」
●やるじゃねぇか
女王の腹から脱出したフィル。
宇宙船でその場を離れようとする風子たち。
しかし、女王は死んでおらず宇宙船が捕らわれてしまう。
ミシミシ、と音を立てる船。
フィルは再び女王の元へ向かう。
ニコがフィルを止めようとする中、風子があることに気付く。
「奴らは感情に反応する。でも今のフィルくんは”不感”・・・!」
フィルが腕から刃を伸ばす。
「つまり無警戒の奴に最大の一撃を叩き込める!」
「だが奴には外からの攻撃は何も効か・・・」
フィルは出した刃をクロスさせる。まるで巨大なはさみのように。
先刻のエレベーターで扉に挟まれて切断されたエイリアンを思い出したニコ。
「そうか・・・!奴らの弱点は・・・せん断・・・!クソ・・・やるじゃねぇか、フィルさんぉ!」
フィルはそのまま女王を真っ二つにする。
船内に戻ってきたフィルを連れ、地球に突入していく。
「ニコ!これどういう事!?」
地球のイチコから通信が入る。
「しゃーねーだろ軌道のズレは、バカ二人に文句言・・・」
「そうじゃない!衛星画像送る!」
送られてきた画像を見ると、船体になにかがとりついていた。
「これじゃパラシュートを展開できない!」
ついていたのはエイリアンの卵。
軌道が読めない最悪の状況の中、フィルが船外に飛び出す。
「馬鹿やろう!アイツ・・・一人で軌道変えるつもりか・・・!」
●信じて
フィルは一人で宇宙船を支えている。
体にもヒビが入っていく。
――フィルの回想。
『ねぇお母さん』
『なぁに、フィル』
『この研究が終わったら地球に行くんでしょ?』
『うん・・・他の誰かが止めても・・・』
『じゃあできるかな、あやとりできるおともだち』
『できるよ、フィルはとっても優しいから』
――。
大気圏を抜けたのを確認し、外に飛び出す風子とジーナ。
船体に着いた卵を処理していく。
ジーナは手袋を外してフィルに触る。
「!?ジーナちゃん何を・・・!」
「私が触れてれば・・・!フィルの体はこわれない!」
超高温になっているフィルに触れて耐えているジーナ。
「フィル!これでどんだけ無茶しても大丈夫、思いっきり吹かして!」
出力を上げるフィル。
「信じて!私を・・・ううん、私達・・・ユニオンを!行こう!地球へ!」
「いけ!」
「フィル!」
フィルの誘導もあり、ロケットは川に落ちる。
●ようこそ地球へ
「お母さん落ち着いて!地上の重力にまだ」
「フィル!フィルどこ!」
制止も聞かずに船外に飛び出すフィル母。
風子の見つめる先にはフィルを抱いているジーナの姿が。
「・・・ありがとう、フィルくん」
フィル母がフィルを抱きしめる。
「ようこそ、地球へ!」
風子とフィルはお互い親指を立てている。
【感想】アンデッドアンラック 159話【アンデラ】
No.159「Entruster」
●魂に宿る
風子とフィルがエイリアンたちを引き付けている間にフィル母を船内に移動させるニコたち。
「女王(クイーン)は・・・!?女王はどこです・・・!?」
フィル母が怯えた表情で尋ねる。彼女曰く、エイリアンたちを産んだ女王がいたとのこと。
「女王はあれを食らって大きくなった個体・・・強さがまるで違う・・・!」
見つかったら終わり、とフィル母が言う程の強さ。
「聞こえたか風子・・・」
「はい・・・!でも女王なら習性も同じハズ」
それでもエイリアンたちはフィルの感情が狙いであり、女王も同じと考えた風子はこのままエイリアンたちを引き寄せ続けるという。
「感情・・・?まさか・・・」
「あるんだよ!このエイリアン達は感情に反応してる!フィルくんは間違いなく感情がある人間だよ!」
自分に感情があることが信じられない様子のフィル。
そんな彼の前ループの能力であり、自分の感情や感覚を否定する「不感」を説明する風子。
「その辛さは私にはわからない。でもね、ひとつだけ確かな事がある」
フィルと向き合う風子。
「否定能力は人間の魂に宿る」
●不感(アンフィール)
風子の言葉はすなわち、否定者だった前ループのフィルも今のフィルも魂を持っていることを意味する。
「フィルくんはあの神が否定したくなる程のとっっても素敵な感情と魂をもった人間だよ」
「・・・そっか、よかった。お母さんきっと喜・・・」
フィルの言葉が止まる。状況がおかしいことに気付く風子。
(まさか!)
「風子!下だ!」
ニコからの通信。女王と呼ばれるエイリアンの親が風子の下まで迫っていた。
「本当だ、少しずつ気持ちが静かになっていく」
「フィ・・・」
フィルが風子の手を離れていく。
「これが不感(アンフィール)」
(お母さん 安心して)母を思い出すフィル。
「ボクにも感情が、魂があったよ」
「フィルくん」
そう言い残し、フィルは女王に飲まれてしまった。
●キミの中にいたんだね
フィルの回想。
機械の身体に移植されて間もなく、母がフィルを抱きしめる。
「目を覚ました!成功よ!自分の名前・・・思い出せる?」
「フィル・・・3才・・・」
移植された直後は上手く動かせなかった指もあやとりの練習をしていたら動かせるようになった。
そんなフィルを母は泣きながら褒めた。
女王の腹の中で目を覚ましたフィル。そこにはクルーたちの遺体が転がっている。
ある飛行士の背中に”Take the doll(人形を奪え)”と書かれているのを見つけたフィル。
上を見ると白い人形が取り込まれていた。
その人形は母親たちが研究していた危険な人形。
(この力を吸収して奴らは・・・大きくなったのか・・・)
フィルが人形に触れると前ループの自分の記憶が頭の中に流れ込んできた。
(ボクの知らない・・・ボクの記憶・・・ユニオン・・・否定者・・・神殺し・・・)
風子の話は本当だった。
(本当だったんだ、前のボクはキミの中にいたんだね)
●託す者
女王が取り込んだ人形の正体はアーティファクト”託す者(エントラスター)”
使用してきた者たちの感情を力に変えるアーティファクト。
使うには自身の身体を捧げなければならず、一度使えば感情を吸い取られ廃人になる。
不感であるフィルを除いては――。
(今のボクもキミと同じ不感なのかな)
人形を見つめるフィル。人形の周りにはいくつかの武器が刺さっている。
自身に現れた感情の波が引いていくのが分かる。
色んなことへの関心が消えていく中でも救けたいと思う人たちがいる。
(なんでかはもうわからない、でもこの行動が 闘うって事が、お母さんに見せたかった感情だと思うんだ)
「クソッ・・・クソ・・・!」
女王に向かって発砲を続ける風子。
クリードによる援護射撃も続くものの、不運の種が足りないのか女王に致命傷を与えられずにいる。
「クソッ・・・!お前なんかに・・・お前なんかにフィルくんは渡さない!」
風子が叫んだ瞬間、女王の動きが止まる。
ドクン・・・と大きな鼓動が聞こえる。
「何だ・・・」
女王の腹が裂け、中から複数の武器を纏ったフィルが現れる。
「フィルくん!」
(あげるよ、ボクの感情で奴を倒せるなら)
【感想】アンデッドアンラック 158話【アンデラ】
No.158「Don't think.Feel」
●正体
不運が発動するまで時間を稼ぎながら後退していく風子たち。
その間にフィルの母がいるエリアに行くエレベーターに向かう。
フィルは自分を置いて行くように風子に言う。
「なら、尚更置いてけない」
「なんで。一人を犠牲に5人助かる方がいいよ」
「それじゃ悲しいでしょ!」
「かなしい・・・?」
風子の言葉が理解できないフィル。
「開いたぞ!エレベーターはまだ使える!」
エレベーターに乗り込む一同。
最後方で戦闘を続けていたクリードが乗り遅れる。
風子がクリードを引っ張ってエレベーターに引きずり込む。
化け物も一緒に入り込むが、その瞬間扉が閉まり化け物の頭を真っ二つにする。
ジーナの不変の剣でも斬れなかったのに突然弱くなったことに驚く風子。
頭部だけが残ったばけものはフラフラと、フィルと彼を抱きかかえるショーンに向かって飛んでいくが、途中で力尽きてしまう。
死体が霧散せずに残っていることから、このバケモノの正体がUMAではなくエイリアンだと確信する風子。
エイリアンであることを聞いたニコ。生物に存在する習性、すなわち弱点を見つけ出そうとする。
●悲しいってなに?
風子たちが情報を整理している間、フィルがショーンに尋ねる。
「ねぇ、悲しいってなに?」
”感情”とは何なのか知りたがるフィル。
「んー、親父が死んだときかな」
「それは何で悲しいなの?」
「なんで・・・そうだなぁ、もう会えないからじゃねぇか?」
「・・・そっか」
ショーンの言葉に何かを感じるフィル。
ニコは風子にフィルの不感が既に発現しているのか尋ねる。
「・・・してないはずです、発現すれば喋れないはずなので・・・」
「・・・そうか」
そうこうしているうちにフィルの母が待つシェルターに辿り着くものの、シェルターはエイリアンで囲まれている。
そこへ、フィルの母から通信が入る。
「誰かいるの――あの子は・・・フィルは無事ですか!!」
「ああ無事だ!ここにいる!今からアンタを」
「私はいい!早くここから離れて!フィルを連れて!早く!」
自分を置いて逃げるように伝えるフィル母。
「でないと・・・」
●活路
フィル母の言葉に反応するかのように、シェルターを取り囲んでいたエイリアンの動きが活発になった。
フィル母は自身の結末を悟り、フィルに話しかける。
「今までごめんなさい・・・こんな寂しいところに閉じ込めて・・・そんな冷たい機械の身体に押し込んで」
フィルに感情があるのか、自分でも分からなくなってしまったフィル母。
「母親失格ね・・・せめて私の命であなたが救かるなら・・・」
「お母さ・・・」
何とかしてエイリアンを引きはがそうとする風子たち。
「やめて!私はいいの!今なら逃げられる!」
「断る!フィルは学ぼうとしてる!感情を・・・お前の為に!」
ニコが怒る。
「悲しいって何かってよ・・・ふざけるな!母親の死で!悲しいなんて学ばせねぇ!」
「ニコさん後ろ!」
エイリアンはターゲットをニコに変えて襲い掛かってきた。
(このタイミングで・・・!?まさかこいつ・・・)
フィルが身を挺してニコを守る。
「フィル!」
ニコはエイリアンたちが声や温度ではなく、”感情”に反応することに気付く。
「やっぱり”悲しい”はまだよくわからない。でも、お母さんにもう会えないのはイヤだ」
(こいつらは”感情”に反応する!それも・・・その場で最も昂ぶった”大きな感情”に・・・!)
フィルはニコのサイコポッドに乗って移動し、エイリアンの気を逸らそうとする。
●フィルの感情
「ダメ!」
風子はフィルに追いつき、エイリアンの攻撃を防ぐ。
「フィルくんがお母さんに会えないと悲しいなら、お母さんだってアナタと会えないのは悲しいんだ!」
フィルと風子がエイリアンを引き寄せている間に、ニコたちに救助されるフィル母。
エイリアンは感情の昂りによって脳が発する電気信号に反応することをフィル母に説明するニコ。
「どういうことかわかるか・・・!あるんだよ!フィルには!誰よりも強い”感情”が!ちゃんとそこにあるんだ!」
「待っててお母さん、今救ける」
「フィル!」
【アンデラ】第3回キャラクター人気投票結果
連載3周年を記念して行われた第3回WEB人気投票。
2023年23号の週刊少年ジャンプにて、投票結果が発表されました!!
・完全WEB投票
・ひとり1日1票
・投票期間:1/23~2/28
【第1位】出雲風子:5971票
【第2位】アンディ:4781票
【第3位】ジーナ :2938票
【第4位】安野雲/久能明:2794票
【第5位】シェン :2656票
【第6位】ジュイス:2570票
【第7位】テラー :2474票
【第8位】ニコ :2338票
【第9位】ビリー :2323票
【第10位】リップ :2233票
・投票期間は143話~148話、ボイドvs風子~クリードの自暴自棄射撃までです。
3位から10位は2000票台なので割と拮抗していますね。
・主人公のアン風が毎回高くて嬉しい!
元から人気もあり、ループ後も割と序盤に登場したジーナと安野は安定の順位。
・初のトップ10入りはテラーとニコ。
テラー人気ですね。僅差とはいえビリーに勝つとは。
ビリーへの忠誠心の高さと不通発現時のやるせなさが好きです。
そして前ループでは悲しすぎたニコ。今度こそ幸せになってくれ・・・。
・ループ後未登場のシェン、ジュイス、リップもトップ10入り。流石だ・・・。
参考までに過年度の人気投票結果は以下の通りです。
第1回人気投票(2021/2/22~3/22)
【第1位】アンディ
【第2位】出雲風子
【第3位】安野雲
【第4位】シェン
【第5位】ジュイス
【第6位】ジーナ
【第7位】リップ
【第8位】タチアナ
【第9位】ビリー
【第10位】ムイ
第2回は総計750組のペアから選ぶ最高タッグ人気投票でした。(2022/1/17~2/17)
【第1位】アンディ&風子
【第2位】シェン&ムイ
【第3位】ジュイス&ヴィクトル
【第4位】タチアナ&ビリー
【第5位】リップ&ラトラ
【第6位】トップ&一心
【第7位】アンディ&ジーナ
改めて3周年おめでとうございます!
正直、掲載順にドキドキしていた時期もあったけどこれからもアンデラらしく駆け抜けていってほしいです。
アニメも楽しみだ!!
【感想】アンデッドアンラック 157話【アンデラ】
No.157「Save You」
●機械の身体
フィルの部屋に招待される一同。
風子はフィルが本物か少し疑っている。
ご飯を食べる、と言い椅子に座るフィルだが、首に機械がセットされチャージしている。
「き・・・機械の身体・・・?」
「うん、3才の時に病気になってお母さんがボクをこの体に入れてくれたんだ」
驚愕する一同。
脳だけ移植され、生身のパーツは全体の10%にも満たない。
「お母さんはロボットじゃないって言うけど、ロボットって呼び方でいいと思うよ」
●お母さん
ニコがフィルの状態を見るために、彼の手袋を外すと、そこには配線もボロボロな機械の手があった。
「・・・お母さんのこと好きか?」
「うん、一番好き」
中央ツリー2階のシェルターにいる母を助けるために、呼吸が不要なフィルが助けを呼びに来たのだった。
「でもシェルターももうもたない。奴らがシェルターを狙ってるんだ」
フィルが道中で奴らの倒し方を教える、という。
●喜ぶんだ
シェルターに向かう一同。
フィルの言う奴らの正体が未だにつかめない風子。
思いつめる風子の顔をお母さんと同じ顔、というフィル。懐からひもを取り出してあやとりをして見せる。
「・・・えっと、私が受け取ればいいの?」
「嬉しくない?悲しい顔になったとき、これをするとお母さんが喜ぶんだ」
そう言いながらあやとりを風子に渡そうとするフィル。
●倒し方
困惑する風子。
次の瞬間、大きな衝撃とともに、フィルが”奴ら”と呼ぶ化け物が姿を現す。
クリードが応戦しようとするがフィルが制する。
「ムダだよ、奴らにはそれじゃ勝てない」
そう言いながら自身と風子たちをシャッターで遮断するフィル。ひとりで化け物のもとに向かう。
「フィルくん何を・・・!」
「言ったでしょ、倒し方を教えるって」
既にボロボロの自分の身体と風子たち。どちらが母を救える可能性が高いか考えた結果の選択だった。
●大好きな人の為なら
ニコがシャッターを解除しようとする中、フィルの両腕が化け物に飲み込まれる。
しかしフィルは両腕から電気を流し、ダメージを与える。
化け物の外皮は刃も弾丸も通さないため、捕食時のみ露出する口から内部を直接攻撃する必要があった。
「だから・・・コ・・・こうやって・・・噛ませテ・・・」
「フィルくんやめて死んじゃうよ!なんでそこまで・・・」
ボロボロになりながら化け物の倒し方を伝えるフィル。
「お母さんが言ってた。大好きな人の為なら何だってできるって」
大好きな母の為に、自身が犠牲になってでも助けようとしているフィル。
●助ける理由
「開いたぞ!」電子音と共にニコがシャッターを解除する。
(私は大馬鹿だ!)
フィルの身体のことを聞き判断が鈍った自身を律する風子。
(目の前にいるのはお母さんの為に命をかける・・・フィル君だ!)
(それだけで・・・助ける理由になるだろ!)
「バッドバレット!45!」
フィルを化け物から引きはがし、口内に「凶弾」を放つ風子。
「さっきはごめんね、あやとり貸してくれる?」
フィルは風子にあやとりを渡す。
「みんなでたくさんしよう!こいつらをぶっ倒して!」
【感想】アンデッドアンラック 156話【アンデラ】
No.156「Right Stuff」
●謝罪
「えー私達は打ち上げの困難さもよく分からず、自分達が任務に参加したいがために」
「私がショーンを誘って無理矢理乗り込みました、ごめんなさい」
正座して密航したことを謝罪するジーナとショーン。
チラッと風子の方を確認するが、真顔で黙ったまま。
「お説教は後です、今は二人の協力が必要です」
風子がドッキングできる穴を探す間に、クリードはスペースデブリの処理、ジーナは船内エアーでドッキング用のパイプ作り、ニコはクリードのナビとドッキング穴の角度調整を担当する。
ショーンは待機。
●覚悟
風子が噴射装置を使ってステーション周辺の探索に出る。
ジーナは空気を節約しつつパイプを伸ばす。
「うん・・・えと・・・まだ怒ってる?」
「・・・お願いね!」
(怒ってる・・・)
前ループでアークを使ったときに月に飛ばされて以来、これが二度目の宇宙である風子。
地球の美しさと孤独。そんな宇宙で生まれ育ったフィルを想う。
宇宙の怖さを実感する風子。
「だからこそ覚悟ある奴しか来ちゃいけねぇ・・・そういう場所だ」
「ハイ、救けましょう、一刻も早く!」
「了解ボス!」
●ドッキング
船体にデブリが接近してくる。
ニコが開発した反発弾をクリードが撃つ。
「言っとくが一発一億だぞ、お前だからいいが」
デブリに撃つことで船体と反発するようになる。
ショーンはニコにデブリの恐ろしさを尋ねる。
当たったら拳銃の比ではなく体が吹っ飛ぶと聞き、戦慄するショーン。
ジーナはパイプを作成するが、不純物がない宇宙空間ではちゃんとパイプが伸びているかを確認する術がなく、不安がる。
風子もクリードも離れられない状況でショーンが動いた。
ジーナを信じて、自らパイプを通り完成を確かめるのだった。
体を張ったショーンの確認のおかげでパイプが完成する。
ニコは風子の指示でパイプをステーションにドッキングさせようとする。
数度単位の調整に苦戦するニコだが、突如操縦桿が勝手に動き出し、ドッキングさせる。
ニコはハッキングを疑うが、詳細は分からない。
●お母さんを救けて
船内に戻ってきた風子とハイタッチする風子。
そこにジーナも戻ってくる。
「おっ感謝しろよジーナ、オレのおかげで」
ジーナともハイタッチしようとするショーンを無視して、風子のもとに駆け寄るジーナ。
勝手についてきたことを風子に謝罪するジーナ。
「外観からも思ったが・・・ずい分とレベルがたけぇな・・・」
宇宙ステーションがユニオンと同等の技術を有していることに気付くニコ。
「・・・気を引き締めていきましょう、この中に・・・フィルくんがいます」
風子・ジーナ・ショーンとニコ・クリードの2手に分かれてフィルを捜索することになった。
通信が途切れた時にフィルたちがいたシェルターから探し始めた風子たち。
「通信が途切れてもう5日。食料がもってもメンタルがもつかどうかわから・・・」
言葉を遮った風子。目の前にはフィルが立っている。
宇宙服も着ていないフィルの姿を見て、宇宙服を脱ごうとするショーンだが、風子に止められる。
「ここに・・・エアーはない」
「は?じゃあなんでコイツ」
ショーンの裾をギュっと掴むフィルが言う。
「お母さんを救けて」
【感想】アンデッドアンラック 155話【アンデラ】
No.155「お困りのようだな」
●ビビッてるぐらいがいい
「なんでオレを連れてかねんだ!オレとお前のコンボ最高だっただろ!」
宇宙に向けて訓練中の風子にショーンが直談判しにいく。
「例えばショーンさんが気絶して宇宙に放り出された場合」
「そんなことねーけどな」
「ショーンさんは誰にも見えない状態で宇宙を漂います、誰にも見つけられず永遠に」
風子の脅しのような言葉を聞き、逃げ帰るショーン。
「サーモで視えるじゃねえか、あそこまでビビらせなくても」
傍で話を聞いていたニコが言う。
「否定能力は解釈でいつどう変化するかわからない、ビビッてるぐらいがいいんです」
●宇宙に行くために
トレーニングルームを飛び出したショーンだが、ジーナに別の部屋に誘拐される。
「ジーナ・・・だっけ?体もういいのか?そいや戦場じゃありがとうな、助かったぜ」
「そう、じゃあその借り返して。私も宇宙に行く!協力しな!ショーン=ダッツ!」
ジーナの体を気遣って選抜メンバーから外したと思っているジーナだが、なんとしても風子の傍にいたい。
「風子ちゃんすぐ突っ走るから・・・私が傍にいなくちゃいけないの!あんたもそう思うでしょ!」
「えっあっハイ」
神を倒すまで風子の右腕でいたいジーナと強くなって目立ちたいショーンの利害が一致する。
「何か作戦があんだな」
「ええ、ついて来なさい」
不可視を発動させ、ロケットの完成状況を確認しに行く二人。
「まずいわね、もうほぼ完成してる」
おそらく一からではなくある程度完成したものを購入したため、残された時間はわずか。
エンジニアたちの会話を聞くに、積み荷はあと100kgほど余裕がある。
「決まりね」ジーナがにやりと笑う。
不可視発動中のため、ロケットを見れなかったショーンが隣で泣いている。
●パワーアップ
「密航するために”不可視”をパワーアップさせる!?」
「そう」
ジーナはそういうと、裸にさせたショーンを体重計に乗せる。
「ふーん、65kg・・・けっこうあるわね」
「んまぁ役者目指してた時鍛えてたから」
「よし、これをゼロにして」
「死ねと?」ジーナの難題に思わずツッコむショーン。
「今アンタはこの体重計の数字で!ここにいるって事が視えんの!完全な不可視じゃない!」
心と向き合い解釈を広げて、間接的に視えてしまうものを否定しようとしているジーナ。
「貨物と一緒に乗り込み!私達も宇宙へ行く!」
ジーナが宇宙服をくすねる間に、ショーンも解釈の拡大を目指す。
「いける!?」「ああ、了解だ!」
●発射
打ち上げ当日。二人が見送りに来ないことを不思議がる風子。
「まだスネてんじゃねぇか?宇宙の石でもプレゼントしてやろうぜ」
「・・・ですね」
一方、貨物室。
「そろそろよ、準備して」
宇宙服を着たジーナとショーンが発射のタイミングを待っている。
発射のための最終チェックが行われる。
「船体重量はデータ通り、問題ない」
ショーンの不可視が発動し、二人の体重も視えなくなっている。
「やるじゃない、見直したわ!」
「まぁオレだからな」
カウントダウンが始まる。
「5,4,3,2,1,グッドラック!」
皆が見守る中、ロケットが発射される。
大気圏を突入し、軌道が安定する船体。
「宇宙・・・出れたんだな」
「みたいね」とりあえずの打ち上げ成功に安堵するジーナとショーン。
「で?どーやって皆と合流すんだ?」
「どういうこと?」
「いやだって命令違反じゃねーか、最悪クビじゃねーか。あんだろ?うまい言い訳が」
ショーンの言葉に驚愕するジーナ。何も考えずに宇宙に来てしまった。
言い争う二人。
●お困りのようだな
不可視が解除されたことで重量オーバーとなり、警告が鳴り出す。
「まさか侵入者!?」
風子が心配する中、再度不可視が発動し、重量は元に戻った。
「風子!見えたぞ!」クリードがステーションを見つける。
しかしステーションはすでに大破しており、ドッキングする部材もバラバラになっている。
「どうにか固定して道を作らないと」
船外に出て船を固定させようとするクリード。
風子はUMAがいた場合、一方的に攻撃受けてしまうため許可しない。
「じゃあどうするってんだ!」
「お困りのようだな、ここはオレ達」
「アンチェンジ アンシーンに任せてちょうだい!」
ジーナとショーンが満を持したような雰囲気で現れる。
「ショーンさん!ジーナちゃん!」
二人の登場に驚く風子とクリード、そしてブチギレ寸前のニコ。